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雑記

「〇〇が完結するまでは死ねない」について

「〇〇が完結するまでは死ねない」というフレーズを耳にすることがある。
連載が続いている漫画などに使われることが多いが、
私の場合、「ONE PIECEが完結するまでは死ねない」である。

「ONE PIECE」の単行本は私が小学生の頃から買い始め、1巻から102巻(2022年5月現在)まで全巻揃えている。
なのでもう最終回を読まないという選択肢は考えられない。

単純に物語の結末が気になるということもあるし、
ワンピースが完結する時、世の中がどうなってしまうのかも気になる。
最終話の載ったジャンプは早々にコンビニから消え、本屋には見たことがないほどの行列が出来るだろう。
ジャンプの公式アプリで読もうにも、きっとサーバーが混み合っていつまでも読むことができなくて。

だから発売日が過ぎてまだ読めていない人は、誰かのネタバレをうっかり聞かないよう、
通勤、通学の電車ではイヤホンをして過ごすだろう。

そしてその様子がニュースで世界中に報じられることに違いない。
そんな最後を見届けたいのもあって、完結するまでは死ねないのだ。

 

これは一つの生きる理由と言えるだろうか。
いや、きっと言える。

生きる理由の「一位」には流石にならないが、何番目かの「生きる理由」である。
順位の差はあれど、それが例えば「夢のため」「大切な家族のため」などに並ぶとすれば、きっとすごいことだ。

だって、生きる理由にランクインしがちなのは、「自分」かそれに近しい事や人にまつわることが多い。さっき挙げた「自分の夢のため」「大切な家族のため」などその典型だ。

一方、「ONE PIECE」はどんなに面白くたってあくまで「会ったことのない人が自由に考えた物語」である。そういった観点においては近しい存在ではない。

でも、一度出会ってしまえば日常の一部になってしまう。
ジャンプで読んでいる人にとっては、毎週月曜日に必ず出会う存在になる。
遠くて縁のない存在だったはずが、その魅力のみで近しい存在になるのである。

これはきっと「作品」と呼ぶもの全てが持ち得る力で、
かつ創作をする人の多くがそれを産み出すことに憧れを持つだろう。

私だって憧れている。
もしそんな作品を産み出せたなら。
そんな妄想をたまにしてしまう。