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心の声メロディ化計画

心の声メロディ化計画とは (1曲目 お別れの歌-never young beach)

 

眠れない夜が

 

増えてきた

 

僕はダメだな

 

 

自己嫌悪の多い人生を歩んできた。
ああだめだ、なんでおれはこうなっちまうんだ、で人生が構築されている。

自信をなくすに至ったエピソードはいくらでもある。

19歳の頃。人生初バイトであったハンバーガー店での勤務。

そこでの業務の一つに、フライヤー(ポテトなどをあげる機械)の油を古いものから新しいものに入れ替えるというものがあった。
まず、機械の下部にあるレバーをぐっと引く。すると古い油が流れ出るので、それを空の一斗缶の中に貯めていく。
そして油カスなどの汚れをがしがしとこすり落としたら、新しい油を上から注いで終わり。

この一連の作業であるが、ある日の私はどえらいミスを犯す。
途中まではよかった。というより最後の一手まではよかった。
新しい油を上から注いでいると、なんとその油が足元の床にそのまま流れ出している。
はじめは脳がスパークを起こし、なんのことだかわからなかった。

失敗の理由はシンプルで、フライヤーの栓を開けたままにしていたのだ。

新品の油が厨房の床にだらーっと広がっていく。
これより先は思い出すと頭が痛くなるので書かないが、
あの怖かった店長が、緊急事態すぎるあまり逆に怒らなかったのを覚えている。
怒っている場合ではなかったのだ。

失敗するのは恥ずかしかった。
失敗を恐れるがあまりチャレンジすることから逃げ始め、気づけば人より経験値というものが少ない。
そのせいで、普通の人ができること、が今更できなかったりして、
うあー、もうだめだ。となる。

そんな悩みを22,3年ほど抱えた頃、

お別れの歌、という曲に出会った。
「never young beach/お別れの歌」

どこか懐かしい雰囲気と、赤裸々で女々しい歌詞が心地よかった。
ヘビロテが止まらない。

そしてなにより
「ぼくはーだーめーだーなー」のフレーズ。

この曲を知ってからは、これまで私が何千何万回と頭の中で唱えてきたセリフにメロディが付くようになった。

ろくでもない自分を知ってしまったとき。「ぼくはーだーめーだーなー」と心の中で思い、歌う。
自己嫌悪のスパイラルに陥りそうな流れが、すこしだけ良い方へ傾く。

心で唱える言葉すべてにメロディがつけば、人生は喜劇である。

そんな「メロディ化」しやすい一節を持った曲たちを紹介していきたい。
心の声メロディ化計画、と題してシリーズ化していく。